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2012-06-01(Fri)

ゲゲゲの鬼太郎  School Days ~中学生編~② 

鬼太郎が学校に通っちゃうトンデモナイ小説第2話です

今回はトウィン―ミックスさんが挿絵を描いてくださいました!
そちらもお楽しみください♪
2.転校生

「はじめまして、ゲゲ…じゃなかった、玄田鬼太郎です」
鬼太郎は、周りの視線にドギマギしながら、自己紹介をした。
…彼は、父親の気まぐれな考えで、人間界の学校に通うことになってしまったのだ。
(ったく、学校なんて、93年前に墓の下中学を中退して以来だよ…まだ、平方根の計算すらできないのに…)
鬼太郎は、心の中で悪態をついた。そして、半袖ブラウスの上に着たクリーム色のベストを軽く引っ張って溜息を吐いた。
 休み時間になると、クラスの生徒が続々と鬼太郎の周りに集まってきた。
「二ッ森中学校3年B組にようこそ」
鬼太郎が、どこから来たのか、家はどこかと質問攻めにされ困っているところに、一人の女子生徒が近づいてきた。
「あたしは、京極智華。このクラスの級長よ。よろしく」
「ど、どうも…」
智華は、不自然に長い鬼太郎の前髪を見つめていた。鬼太郎は思わず髪を撫でた。
「まだ慣れないでしょうから、分からないことはあたしに聞いてね。…あと、それと」
智華が、鬼太郎の耳元に口を近づけて囁いた。
「その『鬼太郎』って名前…親がゲゲゲの鬼太郎のファンだったから付けられたの?」
鬼太郎はギクッとした。元々、人間と妖怪は関わってはいけないのだ。したがって、潜入調査の間は、幽霊族の末裔ではなく、一人の人間として過ごさなければならない。正体がバレないように、下の名前も変えればよかったと、鬼太郎は今更ながら後悔した。
「う、うん、そんな感じ、だけど…」
「もしかして」
智華の表情が険しくなった。
「君、妖怪はいると思ってる?」
「え?」
唐突な質問に、鬼太郎は答えに詰まった。
「妖怪って…ぼ、僕にはよくわからないけど…」
「そう」
智華は顔を上げ、窓の外を見つめた。
「ならいいわ。妖怪なんて、所詮昔の人の作り話なんだから、信じるほうが馬鹿げているわよね。でも中には、お化けを見たなんて騒ぐ輩もいるのよ。特に、あの子なんか…」
智華は、前の席に座っている少女を指差した。鬼太郎は内心ドキッとした。その少女は、何も欠けたところがない端正な顔立ちで、緑の黒髪がさらりと腰に流れていた。一際目立つオーラを放っているのに、何故さっきまで存在に気付かなかったのだろうかと、鬼太郎は驚いた。

二ッ森中3年B組
Illustration by TWIN-MIX

「か、彼女は…?」
「あの子は鬼河妖。親の血筋かなんか知らないけどさ、67代目の妖怪封印師とかなんとか言っちゃって、ホント、頭に来るったらありゃしない。…あ」
ふと見ると、つい今まで鬼太郎を取り巻いていた男子連中が、妖を取り囲んでいた。
「おい、妖怪封印師って言うならよ、ここに化け物連れてきてみろよ!」
「もう親の仕事継ぐって決まってるんなら、学校来なくていいだろ。早く帰れよ。」
「お前は、化けモンと一緒に墓で運動会でもしてりゃいーんだよ!」
妖は、男子たちの言葉を耳に入れないようにするためか、頑なに数学の教科書を見つめていた。
「おい、聞いてんのかよ、返事しろよ、この化け物女!」
取り巻きの中の一番体格のいい生徒が、妖の机を蹴飛ばした。筆記用具やノートが、落ちて床中に散乱した。
「クラスの中に化け物がいると、受験勉強に集中できないから、みんな迷惑してんだよ。なぁ、そーだろ?」
教室中に散らばってこの様子を見ていた生徒たちは、男子の勢いに押されて、うん、そうだと返事をした。
「ほら、これがみんなの意見だ。そーいうことだから、さっさと帰れ」
男子たちは、妖にカバンを押し付けると、教室から強引に連れだした。
「二度と来んじゃねーぞー!」
男子連中は、妖の背中を見送りながら、アハハハと笑った。
 鬼太郎は、今見たもの、聞いたものが信じられず、呆然としていた。ふと我に返り、思わず妖を追いかけようとすると、智華が引き留めた。
「これ、日常茶飯事だから。気にしなくていいのよ。」
「で、でも…」
「さぁ、授業始まるわよ。準備しなさい」
智華は、そういって鬼太郎の肩をポンとたたくと、自分の席へスタスタと歩いて行った。
 鬼太郎は、崩れるように椅子に座った。いじめ等の問題はラジオで何回も聞いていたが、それは人間界で起こっていることであって、妖怪にとっては単なる夕食の肴に過ぎなかったのだ。目の前で現実を見せられ、鬼太郎はやりきれない思いになった。

 その日の放課後、体育の授業で『チビのくせに』驚くべき身体能力が鬼太郎にあることを知った運動部員たちのしつこい勧誘を何とか撒き、一息ついたとき、同じクラスの生徒が近づいてきた。
「よぉ、玄田」
まだ顔と名前が一致できない鬼太郎は、「えっと…」と返答に詰まった。
「あ、そっか。オレは、二宮祥吾だ。よろしく」
「よ、よろしく」
祥吾は、駆け足で鬼太郎に近寄ると、並んで歩き始めた。
「家、こっちなんだ?じゃあ、途中まで一緒に帰ろうぜ」
「あ、うん」
二人は、川辺の遊歩道を、しばらく無言のまま歩いた。
「あ、あのさ、悪かったな…転校早々、あんな物見せちまって…」
「え?」
急に祥吾が切り出したので、鬼太郎は驚いて振り向いた。
「ほら、鬼河のこと」
祥吾は、足元の小石をコツンと蹴った。
「小学校の頃は、みんな仲が良かったんだ。鬼河も、あんなに暗くなかった。小学生って、夢が多いから、宇宙人とか妖怪とかも、みんな受け入れてたんだ。でも、中学に上がったらさ」
祥吾は、顔を上げると、対岸にある立派な建物を顎で指した。
「進路指導で、あそこにある三葉高校に入んなきゃ、この地域からの大学進学は難しいって言われてさ。そしたら、みんな、変わっちまった。ライバルを蹴落とすことしか考えてない」
祥吾はため息をついた。
「最初のうちはまだ良かったよ。みんな、自分の学力を上げることに集中してたから。でも、だんだん受験勉強のストレスがたまってきて、続けられなくなってきた。それで中学卒業後に親の跡を継ぐことが決まってた鬼河が、鬱憤晴らしの標的にされたんだ」
「そうだったんだ…」
鬼太郎はうつむいた。
「あ…俺」
祥吾が突然足を早めた。
「今日、塾だった。すっかり忘れてた…じゃあ、また明日な」
「…あ、う、うん、また明日…」
鬼太郎は祥吾の背に何となく手を振った。

 川辺のそばにあった公衆トイレの中でいつもの下駄履き姿に戻った鬼太郎は、灯籠の入り口を探すために、近くの空き地に向かった。すると、そこにあったゴミの山がいきなり動いた。
「よぉ、我が友鬼太郎ちゃぁ~ん」
魚の骨をくわえたねずみ男と絡む気になれなかった鬼太郎は、黙って草をかき分けた。
「おい、無視すんなよぉ」
ねずみ男は、隅に捨ててあった消費期限切れのおにぎりを引っ掴むと、慌てて鬼太郎の後を追った。
「転校早々、何かヤバイものでも見ちまったのか?」
いきなり核心を突かれ、鬼太郎は戸惑って足を止めた。
「何か悩みがあるんなら、長年の親友であるこのビビビのねずみ男サマに相談しろよ、なっ?」
鬼太郎は、バシバシと肩を叩くねずみ男の手をつかむと、横道へ引っ張った。
「ちょっと、こっちに」
鬼太郎は人気のない広場へ来ると、小さな声で耳打ちした。
「実は今日、クラスの生徒がいじめられていたんだ」
鬼太郎はねずみ男に、教室の中で見たこと聞いたことをすべて話した。
「うーん…そいつは難しい問題だぜ。こういう場合、いじめてる方は大人の前では真面目ないい子を演じてるだろうから、担任や他の先生が気付くとは考えにくいし、教師に話したとしても、『受験』の2文字で頭が一杯で、それにもうすぐ卒業だから今から取り上げたって意味ないと、端から相手にしないだろうな」
「…祥吾君も言ってた…みんなが受験のストレスを妖ちゃんにぶつけてるって」
「何ィ!?」
ねずみ男がいきなり身を乗り出してきたので、鬼太郎は思わず身をすくめた。
「いじめの原因が分かってる奴がいんのかァ?やっぱいけないねぇ、日本人は。昔から、内と外をはっきり区別して暮らす習慣があるから、自分とは違うものを徹底的に排除して、自分を守ろうと自然に体が動く。だからいじめは簡単には終わらねぇんだ。俺が思うに、資本主義ってヤツはいじめの一つだと思うね。確かに国を発展させるためには必要かもしれねぇけど、競争に負けたヤツは今日を生きるのがやっとだ。ゴミで生きていけるオレ様と違って、人間は食い物がなくちゃやっていけねぇ。ところが日本政府の奴ら、自分らばっか金貰って、弱いやつのことを考えてねぇ。これはまさしく、国ぐるみのいじめだろう!そこまでして金が欲しいのか…」
「お前だって金の臭いのする所にしか行かないじゃないか」
痛いところを鬼太郎に指摘され、ねずみ男の熱弁はそこで途切れた。
「オホン…まーとにかく、この問題は一日二日では解決しねぇ。こーいうもんはあせらないのが肝心だ。まずはじっくり様子を見てからだな」
「うん…」
鬼太郎とねずみ男は、それから黙ってさっきの空き地に向かうと、灯籠の門をくぐった。
「…あ、鬼太郎!丁度良かった、探してたのよ」
妖怪長屋の前まで来た時、ネコ娘が駆け寄ってきた。
「どうしたんだい?」
「今、私のバイトで一緒の子、この前殺人事件の現場にたまたま立ち寄ったらしいんだけど、なんか様子がおかしいから、見に来てほしいって言われたのよ」
「な、何で僕に?そういうのは警察に任せれば…」
「その子、理紗ちゃんっていうんだけど、霊感が強いのよ」
「え?」
「でね、その現場を見た時に、違和感のあるオーラを感じたんだって」
ネコ娘は、鬼太郎の服の袖を引っ張った。
「今日、警察の現場検証があって、できればその時に何か見つけたいの。お願い」
鬼太郎は、頼まれたら断れない性格なので、ついて行く他なかった。

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コメント

すごくおもしろいですね!続きが気になります。
是非また投稿してくださいね。

Re: タイトルなし

> すごくおもしろいですね!続きが気になります。
> 是非また投稿してくださいね。

すみません、この作品はこちらの都合で今連載休止中なんですv-435
でも、いずれは皆さんが読めるようにしますので、楽しみに待っててくださいね☆
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ねこたん♪☆

Author:ねこたん♪☆
出身地:秋田県
血液型:AB型

コナン、鬼太郎が大好き!進撃の巨人、鬼灯の冷徹にもハマり中♪ 
好きなキャラは、コナン君、世良真純ちゃん、鬼太郎、蒼兄さんetc…
(詳しくは一番最初の「初ブログ」記事を見てくださいね!)
単行本派+サンデー派=どっちも派(*^_^*)
高山みなみ署長を全力応援☆
そして秋田ケンミンなので秋田も応援!

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